2012年8月27日月曜日

日本一


相方が先週末の富士登山レポートを書いてくれましたので、ご紹介させて頂きます。



2012.8.25 富士山 晴天

毎年富士山に何度も訪れる生活を10年以上続けている人がいる。
この”富士さん”といつか一緒にと思っていたが、ようやく実現した。


8:40 河口湖口(2305m)

天気も良く、気温も快適な登山日和。
5合目の小御嶽神社で無事の登山をお祈りして出発した。

登山口で2000mを超えており、すでにかなり高度感がある。

富士山と言えばご来光。
なので、この時間から登り始める人は少なく、ご来光組が多数下山してくる中、自分達のペースでどんどん歩けてとても快適である。
とはいえ、高山病にならないように腹式呼吸を意識しながら歩く。
すれ違う人達は本当に様々で、他の山にはない光景である。
比較的若い人が多く、顔をゆがめ必死に足を引きずりながらも、まもなく成し遂げるという充実感が伝わってきた。
樹林帯があっという間に終わり、6合目からの砂れき道が始まる。


はじめはサクサク登っていたものの、少しずつ辛くなる呼吸と砂れきの滑りやすさからペースを保つのが難しかったが、仲間がよいペースで引っ張ってくれたので快調に進むことができた。
一人だったらくじけそうな道も、仲間がいるだけで頑張れる。
富士登山の魅力ってこういうところにもあるんじゃないかななどと思いながら、どんどん上へ。
8合目でご飯を食べ、さらに先へと。
天気の良さと空いている登山道、強靭な肉体の仲間2名、いろいろ重なって、ハイペースで登っていく。
あっという間に9合目の鳥居に到着。
その先で少しだけ渋滞。


13:00 久須志神社到着(3715m)

到着するやいなや、ビール(\600)で乾杯。
カップラーメン(\700)やラーメン(\900)、2本目のビールなど、素晴らしい景色の中、最高の気分で各自思いのままに贅沢な時間を堪能した。



私の過去2回の富士登山では、ご来光で早朝だったり、悪天候だったりで凍えるような寒さだったが、この日は本当に天気がよくて風もなく、上着を着れば快適な気候でずっと日向ぼっこしていたい陽気。


でも、この健脚パーティーでしたいことが1つ。
「お鉢めぐり」
できるかどうかは到着した状況で考えようと言っていたが、あらゆるコンディションがよかったので、挑戦することに。
14:15 お鉢めぐり(時計回り)

標高かビールか、歩き始めてすぐ、呼吸があまりにも整わず愕然となった。
一周できるのか・・・
そんな不安がよぎったものの、少し歩いたら調子もでてきて、なんとかペースを取り戻した。
火口を眺めながら、平坦な道を10分ほど行くと、御殿場ルートに合流。


ここには銀明水と呼ばれる湧水がかつて湧き出ていたそうだ。
久須志神社の近くの金明水とともに霊泉とされ、参詣登山者は持ち帰り、薬や神事に使用されていたらしい。
古来より湧き水で枯れることはないと言われていたが、雪解け水や凍土の融解で、現在は枯れた状態である。


富士宮ルートのゴールである浅間大社奥社も通り過ぎ、いよいよ剣ヶ峰へ。


最後の登り、長くはないがとても急で、とても滑りやすい砂。
もちろん標高も高いため、息もすぐにあがってしまう。
トレランの選手だろう人達が颯爽と坂道ダッシュのトレーニングをしているのを横目に、マイペースでこの日一番の力を振り絞った。



15:00 剣ヶ峰山頂(2775.6m)
山頂での写真を撮る列に10分ほどならび、ようやく登頂!
日本一に初めて到達。



でも、その横にあった1m程高くなった岩に気づき、
本当の日本一はここかも!?
というほんとかどうかわからないけど、ひらめきの意見の一致で撮った写真。

言葉にならない達成感を味わい、帰路へ。


剣ヶ峰から久須志神社まではアップダウンが多く、そろそろ体にこたえてきた。


15:50 久須志神社より下山開始
晴天の富士山が初めてだったので、麓の町やうすくかかった雲を見下ろすのも初めて。
日本で2番目に高い北岳の標高は3192mであり、それより約600mも高いのが富士山。
いつも登っている日本アルプスの山々から見る景色も絶景だが、600mの差でこんなにも見え方が違うのかと感動した。


なんともいえない爽快感で快調に下り始めた。
しかし、下山が辛いのも富士山の特徴。
長い下りのみで足や膝への負担も大きい。
それに、登りより砂が多く、よく滑るし、歩くごとに砂埃が舞い上がる。
砂埃で登山道がわかるほどだ。

どんどん足が痛くなってくるが、なんとかこれ以上ひどくならないようにと慎重に歩き、
7合目公衆トイレまで下ると、その先は少しなだらかなトラバースとなった。
6合目に到着し、吉田口への分岐を過ぎたあたりで駐車場のお土産屋さんの屋根が見えてきた。
もう少しと思うが、この10分がとても長く感じる。
朝すれ違った人たちと同じように、痛い足を必死でこらえながらも、もうすぐ達成するんだという一心で、一緒に登った仲間達とのかけがえのない思い出をかみしめながら一歩一歩確実にゴールへ向かう。

18:20 5合目到着
歩いてきた道のりを振り返ると、夕日で赤く染まった富士山が美しくそびえていた。

一緒に登った”富士さん”に、なぜ毎年富士山に登るのかと尋ねてみた。
「日本一だから」
毎年30万人もの人が訪れる富士山。
アクセスのよさだったり、登りやすい登山道だったり、様々な要因はあると思うけど、「日本一だよ!やったよなぁ!」と盛り上がっている若者達がたくさんいた。
様々なものが多様化する現代、日本一もいろいろある。
”富士さん”は、「なぜか毎年登らないと気がすまない。」のが一番の理由だとという。
いろんな人がいろんな思いで日本一を目指す。
富士山の美しさはそんな人々の思いが形作っているのかもしれない。


from MASUMI


以上です。

僕は、富士山は10年ちょっと前にご来光目的で登ったっきり。
その時は出発が遅くなり、山頂でのご来光には間に合わず、8合目位で見たのでした。
でも、最近のこの混雑状況をみて、無雪期に登ることはしばらくないだろうなと思っていましたが、今回改めて写真を見て、昼間の富士山も天気が良ければ気持ち良さそうだなぁと改めて思いました。
山頂でのご来光もリベンジしたいところですが、まずは晴れて気持ち良さそうな日に空いてる昼間を狙って行ってみようかな。