2015年8月31日月曜日

2015.8.11-13 五竜岳・鹿島槍ヶ岳


今年のお盆休みはatelierBluebottleの辻岡さんにお誘い頂き、辻岡さんのご友人のタカさんユウさんと4人で五竜・鹿島槍の縦走へ。

実に2年ぶりのテン泊山行でちょっと不安はあったのだけど、atelierBluebottleのPAC-03をお借りすることができたので、実際の使い勝手がどうなのか山で試せるのがすごく楽しみでもありました。

ルートは、
1日目:八方尾根~五竜山荘(泊)
2日目:五竜山荘~五竜岳~鹿島槍ヶ岳~冷池山荘(泊)
3日目:冷池山荘~種池山荘~扇沢



【1日目】

夜中に東京を出て、6時位に八方第2駐車場着。
まずはゴンドラ乗り場まで歩くのだけど、思ったより距離があって疲れる。

切符売り場でバックパックの重さを測ったら、水2L含めて11kg位。
僕が一番重たいかと思ったら、そこまでの差はなかったのが意外でした。

いつものテン泊装備よりはだいぶ軽いのだけど、それでも日帰り装備よりは結構重たい。
久しぶりの重荷に息を切らしながらゆっくり登っていく。

最初はガスり気味だったけど、雲が抜けてきて気分も上々。
ただし汗だく。
ここは冬もBCでよく歩く道だけど、何回来ても素晴らしい景色。

白馬三山もばっちりと姿を現してくれた。

これから向かう五竜岳と奥に鹿島槍ヶ岳。
五竜は見慣れているこちらからの姿が好きです。

八方尾根を上がっていき、唐松岳頂上山荘に着いた瞬間、今まで見ることが出来なかった反対側に剱岳が望めるっていうのは分かっていても嬉しいもの。

唐松岳のピークは過去に3回登っているので、今回は僕だけパス。
景色を堪能しながらのんびりする。

今回は4人全員がatelierBluebottleのPAC-03(笑)
さすがに4人は初めてだと自分で作っている辻岡さんも言っていました。
すれ違った方達はいったい何事かと思ったことでしょうね。

皆さんがピークから帰ってきたところでランチタイム。
今回ランチは全て小屋で食べようということにしてあり、頂上山荘でちゃんぽんをオーダー。
1100円ナリ。

頂上山荘から五竜方面へ向かうとすぐに出てくる牛首の鎖場。
ここだけ慎重に行けば、あとはいつもの登山道。

途中でガスってきてしまったが、雨に降られることもなく五竜山荘に無事到着。
この日のテント場は混みあっており、仕方なく山荘前の脇に張らせてもらった。

初日はみんな寝てないので一番辛い。
ビールで乾杯したあとは各時お昼寝タイム。
日が沈む前には夜ごはんも食べたけど、その後は20時位まで外が騒がしくなかなか寝付けない。
しかし、微妙な天気予報の中、結局朝まで雨に降られることがなかったのは良かった。



【2日目】

八峰キレットを越える長丁場のため、4時頃出発。
雲はあるけど星も見えており、好天になるのではないかと期待に胸を膨らませながら、朝一のキツイ登りをこなしていく。

間もなく夜明けという時に白馬方面を振り返って。
残念ながら雲が多く、日の出は見れなかったけど、この時は富士山も少し顔を出してくれていた。

バックパックが同じだからか、3人で連続写真のような一コマ。

山頂手前の分岐より妙高方面。
雲が綺麗。

分岐に荷物をデポして山頂へ。

見渡せる限りの展望を堪能。
五竜岳に登ったのはこれが3度目だけど、過去2回はどちらもガスって何も見えず。
3度目にしてようやく景色が見れて本当に満足でした。

立山三山と剱岳。

前日登ってきた八方尾根からのルートも丸見え。

そして鹿島槍へ向けて出発。
僕はこのルートを一度通ったことがあるので少し気が緩んでいたのだけど、他の3人は初めてだったので程良い緊張感がグループに生まれたのは良かった。

最初から落石注意な急下り。


時間が早かったということだけでなく、景色は良いけどある程度雲がかかっているので直射日光が遮られたことで、比較的涼しかったのは助かった。
暑さで体力を消耗し過ぎることもなく、水もあまり消費せずに済んだ。

あまり広がって休めるところがないルートだけに、貴重な休憩スポットの北尾根ノ頭。

休憩中にちょうど鹿島槍に光が当たって美しい。
こちら側からの鹿島槍もここを通らなければ間近に見ることは出来ないが、迫力があって格好良い。

尾根をトラバースし回り込んだ先にあるため、最後まで姿を見せてくれないキレット小屋。
キレットと最後のキツイ登りの前にここで腹ごしらえ。
どん兵衛とコーラが美味かった。

八峰キレット。
どちらかというと最近事故が起きたのは写真の細い所ではなく、手前のハシゴを降りてすぐのところの模様。
ちょっとだけ広い場所だからといって気を抜かずに注意しないといけないですね。

吊尾根の北峰分岐に乗り上げたところから、南峰を望む。
もう一息なのだけど、最後の登りがうへぇという感じ。

ここでタカさんとユウさんは北峰へ行き、僕と辻岡さんはゆっくりと休憩。
北峰は前に登った時も天気が良かったので今回はパスすることにした。

南峰へ登り上げる途中から、五竜岳と今日歩いてきた道。

鹿島槍ヶ岳南峰山頂へ間もなくという所から北峰方面。
双耳峰として遠くから見ても、北峰だけで見ても南峰だけで見ても格好良い山です。

東を向いた標識と西を向いた標識が並んで立っており、写真撮影に便利な南峰山頂。

剱岳が本当に近くなった。
扇沢から登れば南峰までは特に難所もなく来れるので、絶景に囲まれたい人には本当にお薦めの山ですね。

これから向かう冷池山荘方面の眺めは、さながら北アルプスオールスターといった具合。

冷池山荘のテント場は景色が良いので前に通過した時も、いつかここに張りたいと思っていた場所。

で、一回テント張って、エアマットも膨らましたのだけど、山荘で受付時に今晩から雨が降るという事を聞き、辻岡さんが小屋泊を提案。
みんなで相談した結果、小屋に素泊りすることにしたのでした。
今晩から崩れる予報だったからか、小屋は空いており快適。
テーブルでゆっくり食事しながら話したり、喫茶室でお茶したり。
すっかり堪能し、今度また小屋泊しようと盛り上がったのでした。



【3日目】

夜中に雨の音で目が覚める。
風も強そうで、小屋泊に変えて良かったなぁとしみじみ思いながら二度寝。

朝食時は降っていた雨も、出発時にはほぼ止んでいた。

このまま降らないでくれるかと期待したけど、そんなに甘くはなく写真中央の種池山荘に着くまで降ったり止んだり、というかほぼ降っていた。

爺ヶ岳は登ったことなかったのに全て巻いてしまったので、今度は針ノ木からラウンドしようと思う。

そして、種池山荘には早い時間に着いてしまったため、軽食類の販売がまだだったのだけど、ありがたい事にインスタントコーヒーを販売してくれた。
さらに自炊室も使わせて頂き、そんなに急いでないしゆっくりと休憩。
汗で身体が冷えていたので、本当に助かった。

休憩していたら一旦雨も上がったので出発。

柏原新道は初めて歩いたけど、あんまり標高を下げている感じがしないゆるやかな下りで、足への負担も少なくすごく歩きやすい道だった。

みんなで話しながら順調に下山し終了。

扇沢では定番のダムカレーを。
残念ながらバスと電車の時間が合わず、ここで3時間程足止めに。。
八方までは夏季のみ運行の特急バスで戻りました。

温泉は車を止めた八方第2駐車場目の前の八方の湯へ。
建て替えて新しくなってからは初めてなので少し楽しみにしていたけど、さすがに一番分かりやすい場所にあるだけあってかなりの混雑。
入浴料800円だとこの辺では少し高い方だし、混んでるなら他へ行くのも手かな。

そして、夜ごはんは長野ICすぐ手前のおぎのや長野店へ。
長野ICはよく使うけど、早い時間に帰ることがあまりなかったのでここも初めて。
釜めし以外のメニューも普通にあり、高速のSAで食べるなら、ここで食べるのもありかも。

高速乗ってからは、そんなに渋滞もなく意外とスムーズに練馬まで帰ってこれました。


今回の山歩きでのメインイベントはやはり五竜~鹿島槍間の縦走だと思うけど、肝心の2日目の天気が良かったのが本当に幸いだった。
個人的にはこの区間は2度目とはいえ、今まで景色の見れなかった五竜山頂からキレット小屋までの間をしっかり堪能できたので十分に満足できました。
それに、新しい仲間と山に行くっていうのはやっぱりいいですね。
山での会話に関しては、男同士で行けば大差はないものの、やっぱり新鮮で楽しかった。


さて、atelierBluebottleのPAC-03を使用して、初めてちゃんと山を歩いたわけですが、今回のような10kg強の荷物であれば本当に快適に歩ける事が分かった。
フレームレスで腰で背負うパックではないけど、背負っていた事が理由となる肩や腰の痛みは皆無。
また、デザイナーの辻岡さんは、前からPAC-03でもウエストベルトはしないと言っていたけど、身を持ってしなくても問題ないということを体感することが出来た。
ショルダーハーネスが太いからか、チェストストラップだけでも十分しっかりと固定でき、腰周りの動きが制限されないため、すごく歩きやすい。

オーダー再開後に一段落したら早急に自分のオーダーを入れたいですね。





2015年8月30日日曜日

OMM - Phantom 20 など


OMMの春夏新入荷商品を今さらながらWeb Storeに掲載しました。
その際、ついでにバックパック Phantom20 の写真も撮影。
むしろ昨年入荷した際に一番力を入れて紹介しないといけなかった製品なので、こちらも仕切り直しでご紹介いたします。

というのも、こちらのパック、
昨年リリースされた際にはウエストベルトを使ってベストパックのようにも背負えるということを売りにしていたのですが、今年7月の展示会で実はそれは正式な背負い方ではないということを聞き、ちゃんとした背負い方を教えてもらってきたわけです。

OMMの日本のホームページも気がつけば訂正されていました。
“人間の身体は走るとき必ず腕と足が左右対称に動き、その際に肩と腸骨の間が伸び縮みするように可動します。
しかし背骨だけはこの動きに連動すること無く一定を保ちます。Phantomはこの背骨だけにフィットし、その他の部位にはほとんど干渉のないように設計されています。そのため上半身、肩周りはパックの荷重による影響をうけること無く自由に動かすことができ、空身のような自然なランニングフォームを保つことが出来ます。”(OMMジャパンオフィシャルサイトより引用)

このPhantomシリーズが採用しているのが6ポイントヨーク ハーネスシステムというもの。
“走る動作によって引き起こるパックの上下動を抑えるためにPhantomは、6ポイントヨーク ハーネスシステムという独自のハーネスを採用しています。この6ポイントヨーク ハーネスシステムは、従来のバックパックのようにハーネスを締め込み、身体に密着させることでその動きを抑えるのではなく、パックの上下動に対して計算されたハーネスの向きよるバランスで抑制するように設計されています。
6ポイントヨーク ハーネスシステムの下部のベルトはパックの跳ね上がりに対してバランスよく作用しその動きを抑えます。また反対に着地の際に下に落ちようとする力が動いた際には、上部ストラップがその動きを抑制するように作用します。
締め込みによる身体への負担が少なく、常にリラックスした状態で動くことができるので、とくに後半のランニングパフォーマンスは格段に上がるでしょう。”(OMMジャパンオフィシャルサイトより引用)
















具体的にどうフィッティングするのが良いのかというと、
ショルダーハーネス下部のストラップは、パックの中央付近とボトムの2つに分けて調整できるのですが、パック中央付近へとつながっているストラップはパックに対して垂直になるように調整 (上画像参照) し、あとは背面に沿うようにその他のストラップ類を調整します。
そうすると、肩より下の背中にパックがフィットし、肩周りへの負荷がなくなり自由に肩を動かせるようになります。

正直、このフィッティングを実際に展示会で試させて頂くまで、ショルダーハーネスのパックへの取り付け方などに疑問もあり、慣れている方にしかお薦めできないなぁと思っていたのですが、ちゃんと背負うとそういう事だったのか、と腑に落ちました。

が、どちらにせよちゃんと背負わないと、この凝った作りが本領発揮しないことには変わりはないので、できれば店頭で背負ってみて頂きたいですね。



その他の新掲載品としては、まず H2OMM。
ボトル&ボトルホルダーで、ベルクロが止まれば他社製品にも使用可能です。

これも実はPhantomパックに最適化されており、Phantomに装着する場合は背面のベルクロやバンジーコード類を全て取って最も軽い状態で使用できます。

ベルクロを外し、バンジーコードを使ってハンドボトルホルスターのように使う事も可能。



続きまして、Phantom ウエストパック 3L。
こちらも上記のH2OMMが接続可能なので、ちょっとしたランだけでなく、パックをデポして山頂往復する際などサブバック的な使い方にもお薦め。

表側のバンジーコードにソフトシェル、ウインドシェルなどがはさみ込めます。

一番の特徴は、走りながらでも中身のコンプレッションが出来るシステム。
行動中に少しの揺れが気になった場合なども簡単に締め直す事ができます。



あとは、ウインドシェルのSonic Smockなども新たに掲載したのですが、新製品でもありませんので気になる方はWeb Storeでご確認頂けますと幸いです。




どうぞよろしくお願いいたします。